18. 12月から中央快速線へ!? 209系1000番台のこれからの使われ方を考える
今回は最近話題(?)のこの車両についてです。
1. 209系1000番台のあらまし
1999年12月改正から増発に伴い2編成が運転を開始し、以来203系やE233系2000番台に混じって少数派閥での活躍を続けてきました。車両規格を地下鉄仕様とし、MT比を6:4としたことで加速度も向上しているのが特徴です。長らく他のJR車と運用は共通で、千代田線では東京メトロ06系や207系900番台に次ぐレア車両とされましたが、2016年3月改正でJR車の小田急線乗り入れと小田急車の常磐線乗り入れが開始。その対象のJR車はE233系2000番台のみとされたため、近年は小田急に乗り入れない一部の運用に限って使用されています。2018年に入り、常磐線各駅停車では発車メロディが車上メロディとなりましたが、これも209系1000番台は対象外で、この場合は従来の発車メロディが用いられます。その後、1編成が運用離脱し、現在は1編成だけが現役ですが、これも10月13日のイベント列車での運用で終了する見込みです。2. 現在209系1000番台が入りうる運用は?
209系1000番台はJR車の運用で小田急線内に入らない運用のみに入るため、以下の運用のいずれかに入る可能性があります。
- 平日→07K、19K、23K、27K、35K
- 土休日→27K、29K
3. 今後209系1000番台はどうなるのか?
常磐線各駅停車での運用を終えた後、209系1000番台は八王子支社管内に転属し、中央快速線E233系0番台の12両編成対応用の予備車として使用される見込みです(JR東労組八王子地本によると、12月から運行開始予定)。E233系0番台は今後、トイレ取付けなどが予定されているため、予備車がかなり多く必要とされることが考えられ、高架化工事の際に引退予定だった201系を2編成だけ残したのと似たような対応となります。
4. 中央快速線での209系1000番台の運用は?
まず、209系1000番台をどの程度中央快速線に適合させるかであるが、12月から運行開始するのであれば、大掛かりな改造をする余裕はないものと考えられます。加えて、仮にE233系0番台の12両編成化が完了した後に運用数が増えたとしても、209系1000番台がグリーン車を組み込んで残ることはまずありえないでしょう。そのため、209系1000番台が中央快速線で運用されるのは計画通りなら5年程度、帯の張替えや保安装置のATCからATS-Pへの交換といった最小限の変更しかされないと思われます。しかし、そうなると以下の問題が生じます。
- 209系1000番台のパンタグラフ付きの車両の番号には、「◆」マークが付いていないので、トンネルがある高尾から西には入れないのでは?
- 209系1000番台には半自動スイッチが付いていないため、これに加えて青梅線にも基本的に入らないのでは?
そのため、209系1000番台の運行区間は、東京~高尾のみになることが考えられます。過去にはE217系が数編成東海道線で運行されましたが、このときも東京~熱海のみで基本的に終日15両編成の限定運用に入り、前述した201系についても最後まで残ったのはH編成でしたが、実質T編成として扱われたため、この扱いをすること自体は可能でしょう。そのうえで209系1000番台が入るであろう運用をあぶりだしてみると、以下のようになります。なお、H編成の運用についても、途中で分割・併合がないものについては含めています。
- 平日→01T、05T、13T、15T、29T、35T、65T、73T、75T、83T、85T、01H
- 土休日→07T、11T、15T、21T、27T、55T、57T、65T、69T、73T
この中には1日では完結しないであろう運用(出庫する駅と入庫する駅が異なるなど)も多いため、このすべてに入るとは限りませんが、逆に他とつながらない運用(特に、豊田を出て豊田に戻ってくる運用)には入りやすいといえるでしょう。また、209系1000番台は車体幅の関係で定員が少なく(E233系0番台のT編成はおろか、H編成よりも少ないとも)、なるべく平日朝の上りには入れたくないでしょう。平日運用で出庫と入庫が同じ駅なのは13T(武蔵小金井)、35T、83T、85T、01Hで(八王子出庫、高尾入庫だが65Tも該当?)で、平日朝混雑時間帯(上り新宿着7:30~9:30)に一切入らないのは15T、83Tとなります。そのため、83Tが一番入りやすく、次いでそれよりは少し混雑するものの85T、01Hと予想できます。土休日の入れる運用で豊田を出て豊田に戻ってくる運用は見当たりませんが、混雑を気にしなくてよい分、運用の自由度はあると思われます。