むつぬま雑学研究室新館

交通関連の考察記事を中心にいろいろ書いていきます。鉄道時々航空(予定)、2019年9月5日よりYahoo!ブログから移転。

22. 【いよいよ相鉄が新宿へ】2019年11月相鉄・埼京線ダイヤ改正をたっぷり考察(その1・埼京線編)

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9月6日、JR東日本・相鉄から11月30日に開業する相鉄・JR直通線の具体的なダイヤとそれに伴うダイヤ改正の概要がプレスリリースで公表されました。それを読みつつ、いろいろと考察してみようと思います。その1では直通線全体と埼京線内の変化を見ていき、その2で相鉄線と直通線全体の今後を見ていこうと思います。

1. 直通列車は46往復運転、朝は埼京線快速・通勤快速で川越直通あり

www.youtube.com今回のプレスリリースでは、直通列車の本数は平日・土休日とも46往復と正式に発表され、46往復全てが海老名発着、うち朝の6往復(上下線とも3本目から8本目)が新宿より先まで入ることも明らかになっています。種別は相鉄線内では各駅停車と特急(大和・二俣川・西谷・羽沢横浜国大のみ停車)の2種類となり、JR線内は全列車が武蔵小杉、西大井、大崎、恵比寿、渋谷、新宿の順に各駅に停車します。これについては相鉄線内で客を拾うために各駅停車が多いと見られていましたが、平日・土休日とも過半数が特急なのは少々意外でした。特に平日は朝の上りと夕方の下りが全て特急で、目的が看板列車と武蔵小杉→新宿の増発に変わってしまった感があります。
新宿より先に入る列車の中には、埼京線内快速・通勤快速となる列車もあります。個人的にはもう少し大宮・川越まで直通しても良さそうな気もしますが、E233系7000番台のホームドア対応改造が間に合わないということなのでしょうか?池袋まで行く人もいるでしょうし、さらに大宮まで行けば新幹線接続ができますし。また、新宿発の終電が23:14となったことも湘南新宿ラインより遅いという点で評価できます。

新宿より先、池袋・大宮・川越方面に入る列車は以下の通りです。

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2. 10両編成だが武蔵小杉の混雑対策にはなるか?

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武蔵小杉では直通列車がどのような扱いをされるかについても気になる。

直通列車はJR東日本埼京線E233系7000番台、相鉄が12000系を使用し、いずれも10両編成です。現在の横須賀線湘南新宿ラインが15両編成中心なため混雑が懸念されていましたが、プレスリリースには横須賀線湘南新宿ラインの本数を見直すとは特に書かれておらず、微調整程度で済むものと見られます(湘南ライナーが1本減らされますが、武蔵小杉には停車しません)。なお、相鉄12000系は通常新宿までの運行となるので、E233系は6編成が翌朝まで相鉄側に取り残されることになりそうです。
また埼京線相鉄線で編成の統一も図られ、埼京線が4号車、相鉄が9号車となっている弱冷房車りんかい線含め9号車に統一されます。平日朝の横浜行きの相鉄線には女性専用車がありますが、直通列車ではJRに合わせて10号車で大崎までの実施となります。埼京線で現在実施しているものについては現状通りとありますが、となると平日朝の新宿発海老名行きは大崎まで実施ということになるのでしょうか?
なお、横浜行きの女性専用車も10号車(8両編成は8号車)になるのですが、これで生じる問題点についてはその2で。個人的には相鉄線東横線弱冷房車の位置が同じで、かつ相鉄には8両編成が存在することからどちらも相鉄に揃えられるかと予想しましたが、やはり埼京線の女性専用車を4号車にすると影響を受ける駅が10号車に比べて増えるのもあるのでしょうか?なお、相鉄線の横浜発夕方以降の女性専用車はなくなるため、埼京線りんかい線の新木場方面行きが女性専用車だらけになることはないのでご安心(?)ください。
それでもって武蔵小杉の混雑対策になるかについては、純増であれば程度はともあれ対策になるのは間違いないでしょう。横須賀線には朝でも一部11両編成があり、グリーン車を除けば9両、これで女性専用車を除いた直通列車とほぼ同じ輸送力があります(あくまでも任意協力なので老若男女問わず女性専用車にどんどん乗ってくれてもいいんですよ)。しかし、どれくらいなるかは武蔵小杉到着時点での乗車率次第といったところでしょうか。そうなると本来求められている利用客が少ないほど対策になるという皮肉なことになってしまいますが...

直通線開業前と後で女性専用車と弱冷房車の位置の変化は以下のようになっています。

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3. 埼京線の快速が武蔵浦和~大宮で各駅に停車、改善か改悪か?

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季節外れの11月の雪が降る南与野を通過する埼京線の快速。もう見られることはないのか?

現在昼間の埼京線は大宮までの各駅停車が毎時6本、川越まで行く快速が毎時3本となっていますが、今回の改正で各駅停車の半分が武蔵浦和止まりとなり、その代わり快速が中浦和・南与野・北与野に停車します。原因は乗務員のやりくりという説が有力で、これにより快速の通過駅は4駅のみになるのですが、見た限りかなり悪評ですね。ただ、本当に改悪になるのは本数が純減する与野本町と所要時間が延びる川越線区間くらいで、特に武蔵浦和より南に関してはほぼ関係ないように感じます。むしろ新規停車3駅にとっては乗り換えがなくなり、現在は一部偏りのある列車間隔もほぼ10分間隔にそろうため、改善な気がします。少なくとも40分間隔で赤羽止まりがあった何年か前よりかはどこの駅もましな状態ではないでしょうか?むしろ赤羽止まりを大宮に延ばしたが、さすがにこれは過剰すぎたと判断されただけかもしれませんが。

今回はこのあたりでしょうか。この他にも初電繰り上げ・終電繰り下げなどが行われて埼京線の扱いが少しではあるものの他の路線に一歩近づいた感もあります。その2では相鉄線について見てみるので、そちらもご覧ください。