むつぬま雑学研究室新館

交通関連の考察記事を中心にいろいろ書いていきます。鉄道時々航空(予定)、2019年9月5日よりYahoo!ブログから移転。

26. 【品川~仙台直通「ひたち」】2020年3月JRダイヤ改正をたっぷり考察(その2・常磐線編)

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1月17日、JR東日本水戸支社および仙台支社から常磐線が3月14日に全線再開することと再開後の運行体系が発表されました。そのため前回から少したちましたがいろいろと見ていきます。

1. 特急「ひたち」は3往復が仙台まで運転、E657系10両編成を使用

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全線再開後は上野地上ホーム発仙台行きとなる「ひたち3号」。

常磐線全線再開後の特急列車がどう運行されるかがだいぶ前から注目されてきましたが、今回E657系10両編成で3往復、東京方面まで直通で運転されることが発表されました。時刻は以下の通りです。

下り仙台行き「ひたち」

  • ひたち03号:上野08:00発→仙台12:31着
  • ひたち13号:品川12:45発→仙台17:26着
  • ひたち19号:品川15:45発→仙台20:28着

上り仙台発「ひたち」

  • ひたち14号:仙台10:13発→品川14:51着
  • ひたち26号:仙台16:11発→品川20:52着
  • ひたち30号:仙台18:02発→品川22:53着

651系「スーパーひたち」の時代は仙台まで4往復(下り1本はいわき発)に加えて原ノ町までの列車が2往復ありました。時刻はおおむね当時に合わせられていますが、4両編成から10両編成に増えたからか本数は減らされています。また、原ノ町までの列車が運転されないことで福島県浜通りから東京に出るには不便なダイヤとなってしまったのが気になります(原ノ町発の1本は朝、原ノ町行きの1本は夜の運転でした)。

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富岡では運転再開後も復旧工事が進んでいる。

停車駅については一部変更があり、かつては一部通過列車があった広野・大野・双葉が全列車停車となった一方で小高は通過となっています。現状を考えると大野・双葉は通過となってもおかしくないと考えていましたが、これも復興を進めるためでしょうか。この他に亘理と岩沼は上下線とも3本目のみ停車し、品川~いわきの停車駅に変更はありません。そのためかつての仙台行き「スーパーひたち7号」の松戸停車は「ひたち3号」の柏停車に引き継がれています。
また、富岡と浪江を加えたいわき~原ノ町の途中停車5駅においては「話せる指定席券売機」などが設置されます。かつての「もしもし券売機Kaeruくん」は必ずオペレーターと話す必要があったため使いづらいとされましたが、こちらは通常の指定席券売機として使いつつ必要な時にオペレーターを呼び出すことができます。

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本来はいわき~仙台で使われるはずだったE653系

E657系は当初上野~いわきで運転し、いわき~仙台はE653系で新列車を運転する計画でした。しかしE653系は4両編成含め全て新潟支社で使用され、さらに新着席サービス導入で車掌1人乗務が基本となり分割併合での対応ができなくなったため、付属編成を新たに製造するのではなくE657系10両編成で通しの運転になったものと考えられます。何はともあれせっかく品川~仙台の直通運転が実現したことですし、時間に余裕のある方は「ひたち」で仙台まで行くのも良いでしょう。東北新幹線常磐線で一周乗車券を購入し、片道東北新幹線、片道「ひたち」というのも面白そうです。

東京~仙台の運賃・料金

  • 東北新幹線はやぶさ」指定席:運賃6,050円+料金5,360円=11,410円
  • 東北新幹線「やまびこ」自由席:運賃6,050円+料金4,510円=10,560円
  • 常磐線特急「ひたち」 普通車:運賃6,380円+料金2,900円=  9,280円

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2. E531普通列車原ノ町まで11往復運転、651系719系は引退?

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「スーパーひたち」として常磐線の顔だった651系

普通列車については富岡~浪江で11往復の運転となり、その全てがいわき~原ノ町での通し運転となります。現在は区間運転を除きいわき~富岡と浪江~原ノ町で11往復運転されているため、時刻を調整した上で直通になる形となります(区間運転や原ノ町~仙台の本数に変更はありません)。車両については現在のいわき~富岡はE531系と651系、浪江~原ノ町719系が使用されていますが開通後は全てE531系での運転となります。かつては415系1500番台に混ざって701系が仙台からいわきまで乗り入れていましたが、復旧に際してこの区間のホームがかさ上げされたため701系は使用されず全列車が原ノ町で折り返しとなります(E721系は以前から仙台~原ノ町のみの運用です)。

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常磐線での運用は短期間だった719系

これにより常磐線普通列車はいわき~原ノ町E531系、原ノ町~仙台がE721系701系で揃えられ、651系719系は定期運用を全て失うことが見込まれます。
651系については現在4両編成2本が常磐線で現役ですが、同時に発表された春の臨時列車にはこれが使用されると思われる列車はありませんでした(例年651系4両編成でGWに運転されているいわき~桐生の快速列車は今年は485系「リゾートやまどり」が使用される予定です)。651系はここ最近数が減りつつありますが、最後の最後にもう一度仙台まで行くことはあるのか、今後が気になります。
またE721系1000番台の投入後もしぶとく少数が残っていた719系についても、今回で仙台地区各線から引退することになりそうです。磐越西線や秋田支社管内での運転も終了したらしいので、今後719系の定期運用は5000番台の奥羽本線のみになるでしょう。

3. 常磐線関連では他には何が変わる?

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水戸で並ぶE531系とE501系。

既にダイヤ改正のプレスでも出ていますが、常磐線の上野~いわきでも一部の列車が見直されます。常磐線ではE653系フレッシュひたち」の時代から1往復だけいわきに乗り入れている「ときわ」が高萩までに短縮されたり、1往復だけある日立折り返しの普通列車が勝田までに短縮される他、列車間隔の見直しも行われます。
またE531系のうち3000番台は東北本線の黒磯~新白河でも運転されています。現在は朝夕のみE531系で日中はワンマン運転のため気動車が使われていますが、E531系3000番台の各編成にカメラが取り付けられワンマン運転が可能になったため全ての列車がE531系での運転となります。今後ダイヤ改正までにあと20両E531系が入る情報がありますが、いずれ0番台についても5両編成の場合はワンマン運転になるのでしょうか?