むつぬま雑学研究室新館

交通関連の考察記事を中心にいろいろ書いていきます。鉄道時々航空(予定)、2019年9月5日よりYahoo!ブログから移転。

13. 2018年3月、小田急線が生まれ変わる!!(その2)

その2では、平日夕夜間時間帯の一般列車について見ていきましょう。

2. 平日夕夜間時間帯

2-1. 千代田線からの直通列車の大幅増発、「準急」は停車駅追加

現在はロマンスカーを除き毎時3本(「多摩急行」2本、「準急」1本)にとどまっている千代田線からの直通列車を、毎時8本(「急行」2本、「準急」4本、「各停」2本)に増やす。「急行」は伊勢原行き、「準急」のうち2本は本厚木行き、残る2本と「各停」は成城学園前行きが基本となる。「準急」は(少なくとも)経堂から先は外側線を走行し、千歳船橋祖師ヶ谷大蔵、狛江に新たに停車する。
 
考察
これまで日中時間帯と変わらない本数しかなかった夕夜間の千代田線直通が、大幅に増加し、運行パターンも2種類から4種類に増えた。さらに、「準急」の停車駅を増やし、世田谷区内や狛江市内までの短距離利用客も、海老名や本厚木までの長距離利用客も千代田線直通列車を利用しやすくなった。2016年の改正で本厚木行き「準急」が復活したが、今回は「急行」も加わり、速達性も格段に増した。そして、夕夜間も「各停」の直通が行われることで、伊勢原までの小田原線内各駅に千代田線からの直通列車が毎時2本以上止まることとなり、都心直通がこれからの小田急の強みになりそうだ。果たして、最長区間である取手~伊勢原の列車はできるのだろうか?実現すれば中央林間(東急田園都市線)~南栗橋東武日光線)を上回るらしいが...

2-2. 「快速急行」の大幅増発、多摩線でも運行開始

現在、小田原行き、藤沢行きが毎時1本ずつ、新宿~相模大野では30分間隔での運行となっている「快速急行」を毎時2本ずつに増発し、新宿~相模大野は15分間隔とする。さらに、唐木田行きの「快速急行」を新たに毎時2本設定し、新宿発「快速急行」は毎時6本となる。なお、多摩線内の「快速急行」停車駅は、「急行」と同様となる。これに加えて、小田原方面行きの「急行」を毎時4本(うち1~2本は新松田止まり)、藤沢行きの「急行」を毎時2本運行し、新宿~藤沢の上位種別が増発される(18時以降の下り「急行」は経堂通過)。この他、新宿からは「各停」が毎時8本(本厚木行き4本、相模大野行き2本、向ヶ丘遊園行き2本)運行され、相模大野~本厚木は一部の「急行」を相模大野から「各停」に変更して補完する。
 
考察
千代田線からの「多摩急行」に代わり、まさかの新宿発唐木田行き「快速急行」の設定となったが、これも朝時間帯の「通勤急行」同様、京王相模原線を意識したものだと考えられる。新宿~多摩センターでは長らく劣勢とされてきた小田急だが、今回巻き返しが期待される。江ノ島線の上位種別が毎時4本に増えるのも、湘南新宿ラインを意識している感があるが、それだと小田原行きが減らされているのが気になる。湘南新宿ラインの直通列車が藤沢に比べ少ないから、湘南新宿ラインの影響はあまり受けないのか、あるいは逆に、品川乗り換えでも新幹線や東海道線が強すぎると考えているのだろうか?

2-3. 夕夜間時間帯まとめ

夕夜間時間帯(18時台~20時台)の下りは30分サイクルの中で、
  • 新宿発「快速急行」3本(小田原行き、藤沢行き、唐木田行き各1本)
  • 新宿発「急行」3本(小田原または新松田行き2本、藤沢行き1本、新松田行きは相模大野から「各停」)
  • 千代田線方面発「急行」1本(伊勢原行き)
  • 千代田線方面発「準急」2本(本厚木行き1本、成城学園前行き1本)
  • 新宿発「各停」4本(本厚木行き2本、相模大野行き1本、向ヶ丘遊園行き1本)
  • 千代田線方面発「各停」1本(成城学園前行き)

以上に加え、これに接続する多摩線内、江ノ島線内、新松田~小田原の「各停」が運行される。「準急」は新たに千歳船橋祖師ヶ谷大蔵、狛江に停車し、新設される唐木田行きの「快速急行」の多摩線内の停車駅は「急行」同様となる。また、18時以降の下り「急行」は経堂を通過する。