むつぬま雑学研究室新館

交通関連の考察記事を中心にいろいろ書いていきます。鉄道時々航空(予定)、2019年9月5日よりYahoo!ブログから移転。

36. 【日中のJR線直通は全て各停に】2021年相鉄ダイヤ改正を考察してみる

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2月2日、相模鉄道(相鉄)から令和3(2021)年3月のダイヤ改正の概要が発表されました。今回は3月13日に改正が実施されます。全時間帯においてかなり変更されますが、どこがどう変わるか見ていきましょう。

相模鉄道のプレスリリースはこちら

 

1. 平日朝時間帯は種別・行先を入れ替え利便性向上

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平日の横浜発着特急は日中中心の運転だが、朝の上りにも一部運転される。

現在の平日朝時間帯は海老名からは特急(JR線直通含む)と急行を中心に一部は各停を運行し、湘南台からは通勤特急、通勤急行(いずみ野線内は各駅に停車)、各停を運行する形となっています。今回の改正では、海老名発横浜行きの特急や急行が増発され、朝時間帯の海老名発の電車はほぼ全てが特急か急行で揃えられます。これにより、現在は海老名7時台発の運行が少ない横浜行きの特急が6時台発と同様にJR線直通特急と交互に運行されます。

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橙は特急、赤は急行、青は快速、黒は各停、斜体は通勤種別を示す(以降の時刻表も同じ)。

これに伴い、海老名7時台発などの各停は湘南台発に回され、湘南台7時台発のいずみ野線上りは通勤急行1本(二俣川でJR線直通特急に接続)と各停2本(二俣川で横浜行き特急・急行に接続)が合わせて5分間隔で運行されるダイヤとなります。また、いずみ野線内で通過運転を行う通勤特急は最混雑時間帯を避けて湘南台6・8時台発に変更し、オフピーク通勤向けの種別とされます。

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その他にも若干の変更があり、全体の本数は微増するものの種別格上げに伴い一部の駅では停車本数が減少します。また、JR線直通では新宿行き2本が池袋行きに延長される他、早朝の羽沢横浜国大→西谷の区間運転が増発されます。

2. 平日夕方時間帯は快速を増やして混雑平準化

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最近の快速は海老名行きとしても運転され、本数も増えている。

長らく20分サイクルでダイヤが組まれている平日の横浜18・19時台発下りは現在、海老名行き急行2本、湘南台行き快速1本、各停3本(海老名行き1本と湘南台行き2本)が運行されています。しかし、海老名行きが3本続いた後に湘南台行きが3本続くなど混雑のバランスが悪くなっていることから、今回の改正では湘南台行き各停1本が海老名行き快速に変更されます。また、海老名行き急行2本の内1本は湘南台行き各停、湘南台行き快速は海老名行き各停に二俣川で追いつくため、海老名まで3本、湘南台まで2本の有効本数がある程度バランスを取って確保されます。これにより本線の二俣川~海老名では停車本数が増加する一方、各停のみ停車する駅やいずみ野線内では日中と同じ毎時6本にまで減少します。

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3. 日中の運行パターンを見直しJR線直通といずみ野線は全て各停に

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相鉄の定番行先である急行海老名行きが日中運転されないのは2014年改正以来。

現在は平日・土休日とも日中(横浜10~16時台発)JR線直通電車が毎時2本運行され、1本は特急、もう1本は各停となっています(JR線内はいずれも各駅に停車)。しかし、特急では海老名や大和、二俣川以外の利用客には使いづらく、海老名や大和では小田急線に運賃や利便性で全く及ばない状況となっています。そのため、JR線直通特急は乗車率がかなり悪い種別となっており、今回の改正ではこれを各停に変更した上で他の系統でも本数が過剰気味な部分を見直す形となっています。この見直しにより横浜発着の電車は海老名へは特急2本と快速4本、湘南台へは各停6本となり、完全な30分サイクルとなる一方で日中は特急運転開始前の定番種別・行先であった「急行海老名行き」と「快速湘南台行き」の運行がなくなります。

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本線の二俣川~海老名では快速かJR線直通各停が合わせて10分間隔で運行されるダイヤとなり、JR線直通各停については接続する横浜発着特急もセットで運行されます。その一方でいずみ野線内は各停のみの運行となり、横浜へ急ぐ場合には二俣川での乗り換えが必須となります。

4. 土休日夕方時間帯はJR線からは特急、横浜からはその他種別に

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JR線直通特急は日中運転されなくなるが、土休日の夕方以降は逆に増える。

先ほど利用客が少ないと書いたJR線直通特急ですが、逆に増える時間帯もあります。現在JR線直通電車は夕方以降平日は特急、土休日は各停となり、その代わり平日は横浜発着特急を運行しない形となっています。今回の改正では平日と同様にJR線直通は特急、横浜発着は急行以下の種別で運行する形に変更されます。日中と同様に各停が湘南台行き、快速以上が海老名行きで運行され、二俣川で相互に接続が取られる形となります。

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5. 平日深夜時間帯は土休日並みの本数に見直し、終電繰り上げも

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終電繰り上げ後も横浜発の最終はかしわ台行きである。

感染症の影響で利用動向が大きく変化しており、特に深夜時間帯の利用客は大きく減少しています。2020年の1月と12月を比較すると、22時台の利用客は3割程度減少し23時台以降は半減とされています。これに伴い平日を中心に22時台以降の運行本数を減らし、現在の土休日ダイヤと同程度で揃えられます。また、終電後の作業時間確保を目的とするため、一部区間を除く平日の上下線と土休日の上りで終電が15~20分程度繰り上げられます。これにより、相鉄線の終電は以下のように変更されます。

  • 横浜→海老名:平日のみ24:35→24:15(△20分、土休日現行で統一)
  • 横浜→かしわ台・湘南台:平日のみ24:42→24:27(△15分、土休日現行で統一)
  • 海老名→横浜:23:55→23:38(△17分、平日・土休日共通)
  • 湘南台→横浜:23:59→23:38(△21分、二俣川乗り換え、平日・土休日共通)
  • 湘南台二俣川:24:26→24:09(△17分、平日・土休日共通)
  • 海老名→二俣川とJR線直通は繰り上げなし

今回は以上です。ありがとうございました。

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