むつぬま雑学研究室新館

交通関連の考察記事を中心にいろいろ書いていきます。鉄道時々航空(予定)、2019年9月5日よりYahoo!ブログから移転。

5. 2017年ダイヤ改正について考察してみる(その4)

続いて、今回の改正のもう一つの肝であるJR東海東海道新幹線)についてです。
説明の都合上、山陽新幹線区間JR西日本区間)も一部含みます。
JR東海の在来線に関しては、静岡地区で新幹線に合わせた変更があるのみなので省略します。

3. 東海道・山陽新幹線

東海道新幹線では一つ大きな変化があります。それはなんと、

3-1. 「のぞみ」・「ひかり」全定期列車がN700AN700系

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N700系列の投入により、既に「のぞみ」と東京駅毎時33分発、米原停車系統の「ひかり」は全定期列車がN700系列に統一されたが、東京駅毎時03分発、岡山行きの「ひかり」は未だ700系(主にJR西日本車)が使われている。今回の改正で、これを一気に置き換え、一部列車は285km/h運転となる。なお、「こだま」については、まだまだ700系で運転される列車が数多く残るようだ。

考察
700系もC編成に関しては全60編成のうち過半数が置き換えられ、実際に運転される列車はそれ以上に減った(=臨時「のぞみ」の運用が中心になった)感がある。一方、これまで臨時「のぞみ」よりも「ひかり」・「こだま」に使われていたのが700系B編成であり、こちらは全15編成が現役である。300系のときもそうであったが、東海車は最後まで臨時「のぞみ」運用につく、西日本車は最終的には東海道区間の「ひかり」・「こだま」中心だが遅くまで残るといった感じである。ただ、今回の改正で一つ疑問なのは、現在岡山発着「ひかり」の折り返しは新大阪発着「こだま」であるが、「こだま」は700系のままの列車がまだ残る。運用パターンが変わるのだろうか?

補足
https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/12/page_9719.html
JR西日本のプレスリリースによると、平成29年度から31年度にかけて、N700AN700系4000代F編成)をさらに15編成投入する計画。これにより、700系B編成はC編成と同時期に引退となる。
現在、N700AはG編成が31編成(今年度分残り1編成)、F編成が9編成(今年度分投入完了)。700系C編成の博多転属編成(C11~C18、現在稼働しているのはC11編成とC14編成のみ?)は今年度内に引退となる見込み。

3-2. 東海道・山陽新幹線がスピードアップ

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3-1章で述べたN700A導入による東海道区間の285km/h運転の拡大に加え、山陽区間ATC更新により、東京~博多間の「のぞみ」で最大7分、所要時間が短縮される。上り「のぞみ」の博多発車時刻(7~18時台)は東京到着時刻はそのままで毎時04分、32分発から毎時10分、33分発(JR西日本福岡支社キャッチフレーズ「10(自由)に、33っと(ささっと)、のぞみ!」)となる。

考察
今年も東海道・山陽新幹線のスピードアップは進み、遂に東京~新大阪間2時間半を切る列車が日中のパターンダイヤにも現れた。今後どこまで東海道・山陽新幹線は速くなれるのだろうか。日中の東京~博多間5時間切りや、最速にして東京行き最終列車「のぞみ64号」の博多発車時刻(今改正で18時58分→18時59分に変更)が19時台になる時代が、近いうちにやってきそうである。